調査と研究
上総掘りは千葉県上総地区を中心に成立した削井方法です。上総地区の地層に合わせて、削井を安全に、早く、安く行うことを目的に発展した技術です。そして、その後は日本全国に広がり、温泉掘削、石油掘削、探鉱などにも利用されました。機械化により現在では廃れてしまった技術ですが、資材の少ない開発途上国向けに技術支援をされている団体もあるそうです。
ここで注目点は「上総地区の地層に合わせて」という部分です。専門的な生成理由とかは説明できませんが、上総地区は削井にあたり、岩盤が少ない地区だそうです。不幸にも岩盤に当ってしまった場合は、場所を変えて掘削し直しとか。
という事は、岩盤の打ち抜き方法を、元祖上総掘りに求めても無理だということが判りました。
でも、探せばあるものです。上総掘りの進化系です。
◆別府地区で進化した別府式上総掘りの紹介です。
別府市 > 教育・文化・スポーツ・人権 > 別府の湯けむり景観 > 文化的景観 別府の湯けむり景観保存計画
第5章 温泉・湯けむりの民俗学的概要
https://www.city.beppu.oita.jp/pdf/gakusyuu/bunkazai/yukemuri_keikan/02_05.pdf
◆海外への井戸掘り支援で進化した上総掘りの紹介です。
INTERNATIONAL WATER PROJECT (IWP) > 新方式(大野式)上総掘り ←のキャッシュです
いずれも、鏨(タガネ)や鉄棒を使って岩盤を掘り抜く掘削方法です。
上総掘りのサイトを読んで、「一文字の先輪の掘り鉄管」を製作しようかと、心が動きましたが…。チゼルやブルポイントで岩盤に挑むのが、正しいアプローチだと確信しました。
H17のビットで井戸底を砕いています(撮影:2015/4/12) |
井戸掘りのブログを検索して読み続けていますが、記事の掘削方法がそのまま使えることはありませんでした。理由は簡単。地下の様子が、皆違うからです。特に今回の現場の様にN値50超えで頑張っている方は、まだ見つかっていません。岩盤を掘り抜いた方がいれば、是非お話を伺いたいです。
上総掘りは、それ自体が完成された人力掘削方法です。勉強して損は無いですし、自分の井戸掘りに役立つヒントがたくさんありそうです。晴掘雨読です。
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