道具の検討
先週の反省の第二弾です。
井戸底の掘りクズを浚うため、STK鋼管で口径76.3mm×長さ1mの砂回収器:スクリュードライバー2号(SD2)を作成しました。塩ビ製のポンプ式井戸掘り器では力不足で、ヤマ(井戸壁の崩落)の続発による、土砂の堆積に対処出来なかったためです。
SD2は掘りクズや、崩れた土砂を浚う道具です。井戸穴を径75mmオーガで掘り下げている所に、径76.3mmのSTK鋼管を捩じ込んでいますので、多少無理はありますが、グズグズの土砂を相手にするのが仕事です。
でも、オーガで掘り下げた深さ分の土砂を浚いたいのに、どうしても最深部に届きません。ハンドルが重くて下らないのです。
オーガはカタログスペックでは45cm、SD2は設計上は100cmです。長さは55cm違います。
つまり、SD2で土砂を浚う際に、オーガで掘り下げたハンドル高さに対して、SD2のハンドルが55cm高い位置まで下れば、全ての堀くずを取り込めた事になります。計算上は。
でも、最後の10cmが中々下らないのです。途中で力尽きて、諦めてしまうことになります。
なんだか変だなー、と思っていました。
という事で、先々週ぐらいに、各井戸掘り道具を測定して、長さを比較する写真を撮影したはずなのに…。アルバムを探しても見つかりません。おかしい。
そういえば、当日はカメラのメモリが満杯で、不要写真をメモリから削除しながら撮影していましたが、撮影後に「メモリ不足で保存できない」メッセージを見落としたのかもしれません。ガーン!! 最近、撮影したつもりなのに、写真がないことが多々ありますが、これも同じだったか。 |
とりあえず、測定した数字は見つかりました。2/6のメモです。これだけだと暗号みたいですが、写真がないので図を描いてみました。
2/6のメモです、 赤枠内に井戸掘り道具を測定した数字が 残っていました |
オーガとSD2では接続部の形状が違います。オーガは1穴、SD2は2穴なので、そのままでは比較できません。そこで、SD2は1穴部分から先端までの長さを測定しました。結果は104cmでした。一方、オーガは同じ部分の長さが45cmでした。ここで4cm分の誤差があることが判りました。
径75mmオーガと 砂回収器:スクリュードライバー(SD2)の 長さの実測値です |
次に両道具の先端を確認しました。オーガの長さには、三角錐部分を含みます。当然、この部分の井戸穴は径75mmまで広がっていません。SD2で力を掛けずに土砂を浚えるのはブレード部分までです。
図を描くとこんな感じ。ここでまた6cm分の誤差が出ました。
径75mmオーガと 砂回収器:スクリュードライバー(SD2)の 掘削面です |
まとめると、両井戸掘り道具の長さの違いは55cmではなく、65cmでした。10cm分、間違えていました。
これが、SD2で最後の10cmが下がらない理由です。
現物が手元にあるのに、何やってるんですかね。まー、それだけ、現場ではテンパっているって事です。(笑)
井戸掘り道具 | 全長 (カタログスペック) | 全長 (実寸) | 先端から接続部 (実寸) | 有効長 (実寸) |
径75mmオーガ | 450mm | 500mm | 450mm | 390mm |
砂回収器2号 | 1,000mm | 1,120mm | 1,040mm | 1,040mm |
差分 | 550mm | - | - | 650mm |
感想と構想
現在の掘削深度は34mオーバーです。地上から井戸の底はサッパリ判りません。井戸掘りは道具に伝わる手応えと、井戸の深さを間接的に示す、ハンドルの高さだけが頼りです。
それを10cmも間違えてはアカンでしょ。
たかが10cmと思いますか?
とーんでもない!!
ハンドルの高さの1cm、2cmの違いで、何とか井戸底の石の状態とかを判断しているのです。
これを間違えていたため、例えば2/13には石を浚おうとして、無駄に井戸底を掘り下げていました。
SD2の先端に土砂が詰まっています、 掘りクズを取り込んでいるはずが、 井戸底の土層を切り出していました (撮影:2016/2/13) |
無駄な作業は即ち、時間の無駄、体力の消耗、それに道具を壊すと、良い事は一つもありません。
これで、変だな~、と感じていたモヤモヤもサッパリしました。
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