井戸報告
私の打ち抜き井戸の掘り方の続きです。Step1 井戸穴を掘るの後半です。
Step1 井戸穴を掘る
Step2 ケーシングパイプを挿入する
Step3 揚水パイプを設置する
Step4 ポンプを設置する
Step5 揚水試験
井戸掘り道具の説明は、井戸掘り道具の紹介をご覧ください。
土層が固いときは
土層が固いと、オーガでは食い込んでくれません。こういうときは突き棒の登場です。突き棒で土層を崩し、オーガで引き剥がすことで掘り進められます。
突き棒は単に斜め切りするだけでなく、縦割りすると内部に土砂が詰まらずパワーが発揮できます。
これを井戸底に降ろして突いて突いて突き捲ります (撮影:2015/12/6) |
上が斜め切りした突き棒1号、鋭さはないが耐久力あり 下が縦割りした突き棒2号、掘削効率良だがちょい弱い (撮影:2014/11/22) |
突き棒は固い土層を解すだけではなく、 石と衝突したときに周りの土砂を解して、石を取り除く働きもします。
突き棒にはHIVP25の塩ビパイプで持ち手を付けています。接続には40×25の異径ジョイント(インクリーザー)を使います。
慣れると深度20mの井戸底でも、手に伝わる感触で石のありかや、周囲の様子が判るようになります。
砂利層が現れたら
深度9m~13mは4mの厚さの砂利層でした。それより小規模の砂利層は何度も遭遇しています。砂利層に単管の突き棒で果敢に挑戦すると、すぐに刃先が曲がってしまいます。また、砂利層には後述するパーカッション(衝撃)式のハツリ機は使えません。砂利の一層目は剥がれますが、それがクッションになり、それより下の砂利は剥がせないのです。
そこで、使うのが径25mmオーガです。先端の三角錐を砂利と砂利の間に差し込み、捻ることで砂利が簡単に引き剥がせます。その後は径50mmオーガで穴を拡張することで、砂利層でも打ち抜くことができます。先端の三角錐は特殊合金で熱処理済みです。強度抜群!!
径25mmオーガで砂利層を突破します (撮影:2015/6/21) |
砂利層からはこんな石が揚がってきました (撮影:2015/4/5) |
径25mmオーガの前は構造鋼板で自作の道具を使っていましたが、砂利層の団結が強く、1ヶ月半程で鋼板が捻れてしまいました。砂利層突破器:マグマライザーです。
自作の砂利層突破器、 マグマライザーを投入します (撮影:2015/4/12) |
肉厚4.5mmの構造鋼板の三角錐がグニャリと曲っています (撮影:2015/5/31) |
石と衝突したら
打ち抜き井戸は、ケーシンパイプを入れる穴を掘り下げていく掘り方です。運悪く、人頭大の石や岩盤に行き当たったら掘削は失敗です。それどころか、拳大の石でもポンプ式井戸掘り器で取り込めないので、対応に苦慮します。井戸掘り経験者の方は石を引き上げる道具を工夫していますが、深度10mオーバでは石の引き上げは難しいものです。ではどうしましょう?
えい、砕いてしまえ!!
そこで開発したのが、突き棒3号:アースクラッシャーです。単管に鉛ペレットを詰めて重量アップし、17Hの各種ハツリ機を装着できるようにしました。
最強力なのが、一点集中攻撃のブルポイントです。これを撃ち付ければ拳大の石など撃破できます。難点は井戸穴の中心部に石がないと、効果が出ないことです。
長さ45cmのブルポイントです (撮影:2015/3/8) |
井戸底を満遍なく攻撃できるのは、幅75mmのチゼルです。井戸穴の径と同サイズなので回転させながら打ち込めば、どんな位置の石でも撃破できます。
幅75mmのチゼルです (撮影:2015/4/12) |
アースクラッシャーは2015年2月の寒風の中、3週間の土日を計6日間掛けて鋭意製作した超兵器です。ブログに図面の画像をアップしてあります。
【2016/2/26】各種図面を井戸掘りアーカイブスで公開しました。こちらからダウンロードしてご利用ください。
2016年2月26日金曜日
井戸掘りアーカイブスを公開しました穴が深くなったら
穴が深くなったら持ち手パイプを延長します。
塩ビパイプにはネジ式のオスソケット=バルブソケットと、メスソケット=給水栓ソケットがありますので、これを使いましょう。
パイプをどんどん延長していくと、パイプが暴れて取り回しに苦労します。このため、ソケット部分で分離・接続を繰り返すことになります。塩ビのソケットではネジ山がバカになりますので、ここにはメタルのソケットを使ってください。ただし、メタルソケットは高価です。
私は分離・接続の手間を省くため、2mのVP25を3本1組で使っています。つまり分離・接続は6m毎に行います。これはヤグラの高さと関係します。ヤグラが4.5mなので、これ以上の長さ、たとえば4本1組て8mにすると、やはりパイプが暴れます。逆に2本1組にすると、分離・接続の手間が1.5倍になるってことですね。
分離・接続箇所には下のメタルソケット、 その他の場所には上の普通ソケットを使っています。 (撮影:2014/12/27) |
オーガの持ち手パイプには、ねじなし電線管E25を使っています。電工用の亜鉛引きの鉄パイプです。こちらの分離・接続方法は試行錯誤しましたが、15AのSGP鋼管を内部に挿入してコネクタとして、各2本のボルトで連結する方式に落ち着きました。
コネクタがパイプ内部にあることで接続部に砂が浸入しないので、分離・接続が容易です。
各ボルト2本で連結しているのは、負荷の分散です。以前は各ボルト1本で連結していましたが、使用しているうちに、ねじなし電線管のボルト穴が変形してしまいました。
手持ちの15Aの長ニップルでコネクタを試作しました (撮影:2015/2/11) |
ねじなし電線管の連結状態です (撮影:2015/2/11) |
写真は試作です。ストックにあった長さ20cmの15Aの長ニップルでコネクタを作りました。長ニップルは高価なので、量産は15Aの黒管を使いました。
量産モードです(撮影:2015/3/7) |
打ち抜き井戸の掘り方 Step1 井戸穴を掘るはこれで終わりです。深度10mまでなら、これの繰り返しで確実に打ち抜けます。
しかし、深度30mを掘り下げるのには他に、ヤグラ、滑車、手巻きウインチ等を駆使する必要があります。パイプを繋ぐ作業だけでもコツや工夫があるのですが…。これは別の記事にまとめることにします。
待ちきれない方は、ブログの記事を順にお読み下さい。試行錯誤のドタバタが楽しめますよ。当人は涙目でしたが。(笑)
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