道具の検討
硬質ウレタンフォームの特徴と物理特性を勉強しました。強度計算に必要なネタもそろいました。水深30m超えの井戸底でウレタンフォームによる電線管の水密化が可能か強度計算をしてみます。
以下が調べた結果です。
■硬質ウレタンフォームの自己接着力
被着体 | 接着力 (N/cm2) |
木(合板) | 15 |
鉄板 | 20 |
亜鉛鉄板 | 20 |
アルミ板 | 15 |
FRP | 15 |
ステンレス | 10 |
コンクリート | 25 |
■圧縮強度
4から6N/cm2。気泡の集まりなので面に強く、点の細い力に弱い。
■ 引張強度
9から11N/平cm2。棒状に固まらせて軽く曲げても折れない弾力硬さ。
水圧と浮力の仕組みをもう一度確認しておきます。
水圧 - Wikipedia
浮力 - Wikipedia
浮力の例の説明図。 水面に浮いていて静止している物体では、 重力(gravity)と浮力(buoyancy)とが つりあっている。 https://ja.m.wikipedia.org |
水圧の説明図。 水深が深くなるほど、比例して水圧が 強くなる。水圧の方向は、物体の面に 垂直方向に働く。 https://ja.m.wikipedia.org |
ではウレタンフォームの強度を計算します。電線管に充填したウレタンフォームが水圧ですっぽ抜けないか計算してみます。
先ずは水圧を計算します。
・電線管の規格=外径25.4mm、肉厚1.2mm
・電線管の内径=23mm
・電線管の内径の面積(πr2)=415.5mm2=4.2cm2
水圧を水深30mで試算します。
・水深=30m=3000cm
・水の量は円筒の体積(πr2h)=12,600cm3
・水圧(1kg重)は10×10×10cmの水と等価なので
・水圧(kg重)=12.6kg重
1kg重=9.8Nなので単位系を変換します。
・水圧(N)=123.5N
出ました。電線管に充填した内径23mmのウレタンに12.6kg重=123.5Nの力が掛かる計算です。
では次にウレタンフォームの強度を計算します。
・鉄板への自己接着力:20N/cm2
ウレタンフォームの厚み1cmで仮に試算します。
・ウレタンフォームの厚み:1cm
・鉄板への接着面積は円筒の側面積(2πrh)=7.2cm2
・自己接着力=20N/cm2
・次にウレタンフォームの強度(自己接着力×面積)=144.0N
出ました。電線管に厚み1cmで充填したウレタンフォームは144.0Nの水圧まで剥がれません。
水深30mでも耐えられます。
上記は水深30mで試算しましたが、水深60mなら水圧は247N、水深100mなら水圧は411Nです。
ウレタンフォームを10cmの厚みで充填すれば、1440.Nまで耐えられる計算です。いけます。
もう少し検証しましょう。
ウレタンフォームが電線管に強く接着できることは判りました。でも接着部分だけ残って、中心部が抜けてしまうかもしれません。固まったウレタンフォーム自体の強度はどうでしょうか?
圧縮強度は5N/cm2で試算します。電線管の内径面積が4.2cm2なので、計算するべくもなく水深30mでは確実に潰れます。でも 電線管の内面への接着力は耐えられるので、ウレタンフォームが接着部と中心の間で割れが入るはずです。剪断ですな。剪断強度は入手できませんでした。
では、ウレタンフォームの電線管に接着した部分と、水圧で押し下げられる中心部が引っ張られて割れると想定して、引張強度を試算します。仮で電線管の内径23mmの中心部の径10mm部分が抜ける想定です。
引張強度=10N/cm2
径10mm、高さ10cmの円筒側面積(2πrh)=31.4cm2
径10mmの中心部を引き抜く引張強度=314.0N
出ました。先ほどの試算で水深30mの水圧が123.5Nでしたので、水圧が中心部の径10mmに集中したとしてもウレタンフォームを10cm充填すれば耐えられます。良か良か
※計算して裏付けが取れましたが、スマホのブログ編集画面と電卓画面を行ったり来たりで脳が痺れましたわ。
感想と構想
・水圧(kg重)=12.6kg重
計算結果ですが、何か違和感がある。検算しても合ってます。何だろ、嫌な感じ。ザワザワする。
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