井戸調査
井戸掘りの休止前、ヤマ(井戸壁の崩落)に悩んでいた頃の話です。一時期、現代の鑿井技術を自分の井戸掘りに適用できないかと考えて、鑿井業者のサイトを読み歩いていましました。結果を記事にまとめようとしてましたが、途中で
鑿井業者の紹介によると、現代の鑿井技術には大きく分類して次の三つの工法があるとのことです。
(1)パーカッション工法
(2)ロータリー工法
(3)エアハンマー工法
各工法の比較などの記事をまとめるには、特定の業者ではなく、業界標準団体の見解に拠るべきですね。そこでこちらも井戸掘り休止前にダウンロードして暖めていた資料を引っ張り出してきました。
一般社団法人 全国さく井協会の『さく井工事施工指針』です。日曜日に二度寝に陥った資料です。
鑿井工事の施工方法を規定するものです。井戸掘りには技能資格があり、鑿井工事はさく井技能士が行うと規定されています。 | |
さく井工事施工指針(平成25年版)、一般社団法人 全国さく井協会、2013年9月 | |
https://www.sakusei.or.jp |
さく井工事施工指針
第1章 一般事項
第1節 総 則
1-1-1 一般事項
本施工指針は、さく井工事の施工方法を規定することにより、足下の豊富で良質な地下水を有効利用すると共に、井戸の効率性と耐久性を確保するために適用する。
さく井工事の範囲は、設計に始まり、施工計画、機材搬入、掘さく、検層、ケーシング、砂利充填、遮水、仕上げ、洗浄揚水、揚水試験(水質分析)、埋没浚渫、完成検査、掘さく機材の撤去、引き続き井戸ピット工事、揚水設備設置、電気工事、揚水試運転までとする。これらの工事の施工及び管理はさく井技能士が行うものとする。
引用:一般社団法人 全国さく井協会
『さく井工事施工指針』では鑿井工法として4番目の工法が記載されています。知らんかった。これも調べて記事を用意します。
(4)回転振動工法
掘さく工法比較表 (出典:一般社団法人 全国さく井協会) |
『さく井工事施工指針』は有用です。事前調査、設計、施工とやるべき事が整理されています。手掘りのDIY井戸掘りでもやるべき事は同じなので、何も判らず手探りで進めることがなくなります。もう少し早く勉強すれば良かったですね。今後進めるケーシングの挿入方法や埋設用充填材の選択などこれから調べなくてはならない事項が整理されています。知らない事は調べれば良いのですが、知らない事を知らない場合は手遅れになりますからね。
本ブログのトップページ『井戸の掘り方』は自分の経験則で書きましたが、この指針に合わせて改訂した方が良いかもしれません。内容は間違っていないのですが、整理の仕方はプロが利用する指針の方が優れています。
感想と構想
『さく井技能士』もその内に記事にまとめたいと思います。さく井技能士は技能検定に合格した人に与えられる国家資格です。さく井の技術を習得しているお墨付きです。
なお、さく井技能士でないと井戸を掘れないわけではありません。いわゆる業務独占資格ではありません。でも、名称独占資格なので、資格のない人がさく井技能士を名乗るのは法律で禁止されています。
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