ブログランキング・にほんブログ村へ
ポチッと応援願います
初めての方はこちらへ 

投稿日 2016年5月27日金曜日

井戸壁崩落の対策

井戸掘り道具の紹介


昨年末に深度32mを超えてから、井戸壁の崩落に悩まされていました。ポンプ式井戸掘り器で浚っても浚っても、土砂が崩れれるため井戸が深くなりません。
更に悪いことに、浚い残しの土砂を突き固めてしまうようです。同じ深さに何度もオーガを降ろして、土砂を解さないと、浚う事ができなくなりました。
更に更に井戸壁に取り残した石が邪魔をして、ポンプ式井戸掘り器が下がらないこともあるようです。

三つの事で悩んでいますが、原因は一つです。土層が変わったのです。粘土混じりの粘りのある砂層から、崩れ易い砂利混じりの砂層に変化したのです。当然、井戸壁は崩れ易くなります。
井戸底に溜った土砂は粘土質が多いとスライム状になり、ポンプ式井戸掘り器で簡単に取り込むことができます。今までは、井戸掘り器を井戸底に押し込むと、掘りクズにズブズブと沈む感触がしました。しかし、粘土質が少ない土層に変わった後は、小まめに井戸底を突かないと、土砂が取り込めなくなりました。そうやって、取り込めた土砂は良いのですが、残った土砂を突き固めてしまうようです。

ポンプ式井戸掘り器の先端に金属製の刃先を付けることも考えました。打ち抜き井戸の掘り方で、よく使われる技です。これで突き固めてしまった土砂を解しながら、土砂を取り込めば良いのです。ですが、採用できません。
実は四つ目の悩みがありました。砂利混じりの土層に変わって、大きめの石が出るようになりました。ポンプ式井戸掘り器では取り込めないサイズの石が、井戸底に転がっているようです。金属刃を装着すると取り込める石のサイズが今までより小さくなってしまいます。これは調子が悪い。

何らかの対策をしないと、掘り続けられません。




対策案1 ケーシングパイプ

曽我部式の打ち抜き井戸掘りで推奨されているのは、ケーシングパイプです。ケーシングパイプを井戸穴に挿入して、井戸壁の崩落を防ぎつつ、パイプの内側を掘り下げていくのです。

打ち抜き井戸経験者のブログや動画を見ると、この方法で掘り下げられるのは限定的のようです。
ケーシングパイプの内側を掘って、パイプ自体を落として行くので、本当に崩れやすい、沖積層の砂層でないと有効ではありません。そのため、曽我部式ではケーシングパイプにブロックを下げて荷重を掛けたり、カケヤでケーシングパイプを打ち込むことになります。
数mならこれで掘り進められるかも知れませんが、何れケーシングと土層の摩擦抵抗で掘り下げには限界が来るはずです。

ケーシングパイプの先端に金属刃を取り付けて掘り進めている方もいます。よたろうさんですね。井戸穴とケーシングパイプの間に隙間を確保できるため、摩擦抵抗で限界が来ることはありません。
でも、よたろうさんのブログを読むと、ケーシングパイプが固着しないように、小まめに動かしてメンテナンスしないとダメらしい。隙間に石が転がり落ちて引っ掛かるなど、手間が掛かりそうです。
私の場合、週末しか作業ができません。それに掘り下げているのが、洪積層の固い土層なので、この掘り方はできません。塩ビのケーシングパイプが耐え切れないでしょう。
なんせ、オーガのブレードが曲がる位、固い土層ですからね。




対策案2 ねばみず(粘土水)

上総掘りでは井戸壁の崩落対策に、ねばみずを利用します。粘土を井戸壁に付着させて、崩落を防ぐのです。また、井戸穴の中の地下水の比重を上げる意味もあるようです。資料を読むと、掘り下げる土層によって、ねばみずの濃度を変えたり、ねばみずに圧力を掛けるため、掘り下げている井戸穴に桶を被せてねばみずを満たして、重力で流し込む方法もあるようです。

ねばみずは伝統技法ですが、現在の鑿井でも使われる技術です。上総掘りでは田圃の粘土ですが、現在ではベントナイトが使用されます。Wikipediaから引用します。


乾燥重量の数倍に及ぶ吸水により膨潤し、固形状態では不透水性である。また水懸濁液は安定なコロイドを形成し、高い粘性を示す。さらにしばしばチキソトロピーを示し、高濃度ではゲル化するが撹拌により液状化する。このような性質は特にナトリウムベントナイトで顕著である。これを利用して、土木工事用防水材や掘削用泥水に利用される。


ベントナイトを使った場合、鑿井後の除去が面倒です。いつまでも汲み上げた地下水が濁りそうで、使うには躊躇してしまいます。
でも、世の中は進んでいます。ネット検索したらこんなモノを見つけました。

◆株式会社ジオックス
 泥水材

 自然分解型泥水材
 (1) ベントナイト使用不可の現場に最適です。
 (2) 季節や土壌によって異なりますが、2~4日程度で自然分解します。
 (3) 大きな掘屑でも上げられます。

これなら良いやん。
けど、週末ごとに泥水材を投入しないとダメですね。




対策案3 井戸壁が崩れるのなら、崩れるより早く掘り下げる作戦

井戸壁が崩れるのなら、崩れるより早く掘り下げれば良いのです。アグレッシブにいきましょう。(笑)
ということで導入したのが、砂回収器:スクリュードライバです。
塩ビ管で作ったポンプ式井戸掘り器のように、押すことで受動的に砂を取り込むのではなく、能動的に砂を取り込む発想です。そのため鋼管で強度の高い道具を目指しました。

砂回収器1号
外径60.5mm、内径55.9mm、肉厚2.3mmのSTK鋼管で制作しました。
呼び径50mm相当です。
砂を掻き込む鋼管部と砂を収容する塩ビ管部のハイブリッドシステムの構想でしたが失敗作でした。土砂が繋目に詰まってしまい、鋼管から塩ビ管に送り込めません。
口径はポンプ式井戸掘り器と同じですが、石を取り込むにはもっと大きくすべきでした。

長さはオーガヘッドに合わせました
(撮影:2015/11/21)

砂回収器2号
外径76.3mm、内径70.7mm、肉厚2.8mmのSTK鋼管で制作しました。
呼び径65mm相当です。
1号の失敗を踏まえて、全鋼管製、かつ、口径も拡げました。こちらは成功でした。

長さは1号機の倍です
(撮影:2016/1/31)

砂回収器2号は、一度に高さ80cm分の土砂を浚い揚げることができます。約5リットルです。VU50の塩ビ管2mで作った、ポンプ式井戸掘り器3号とほぼ同じ量です。

砂回収器2号で頑張り過ぎると土砂が溢れます
(撮影:2016/1/31)
砂回収器2号で浚い揚げた土砂です
(撮影:2016/1/31)

砂回収器は先端の爪で土砂を解して取り込みます。井戸壁に取り残した石も削り落として取り込むことができますので、井戸壁を掃除する必要も無くなりました。


感想と構想


砂回収器2号の導入で、掘りクズを突き固めてしまうことはなくなりました。土砂もどんどん揚がるようになりました。しかし、井戸壁もドサドサ崩れます。(笑)

追い掛けっ子状態です。1日中、土砂浚いの日もありました。でも何とか、掘り進められています。
井戸壁崩落の対策になっているか否かは微妙ですが、これで足掻いてみましょう。


0 件のコメント:

コメントを投稿

注目の投稿

2020年、明けましておめでとうございます

井戸報告 2020年となりました。明けましておめでとうございます。 今年は雲が多くて初日の出は無理。辛うじて層間の隙間からお顔を見せてくれました。陽光の煌きは僅か3分ほどでした。 2020年、日の出が始まりました 雲の層間に一瞬煌めく初日の出です。 ...

人気の投稿

︿
blogisMobileRequest=false, blog.local=ja がんばれ日本!!