ブログランキング・にほんブログ村へ
ポチッと応援願います
初めての方はこちらへ 

投稿日 2018年6月30日土曜日

祝、井戸掘り再開!!(615日目)

本日の記録


作業時間 9:00〜17:00
掘削記録 0cm(深度4,077cm) 15cmは下穴です。
開始水位 570cm(水深3,504cm)

最後に井戸掘りを行った2016年10月23日から、本日2018年6月30日まで計615日が経過しました。そしてやっと井戸掘り再開です。パチパチ!!
左の五十肩もだいぶ癒えてきました。井戸掘りに支障はありません。深度50mを目指して頑張ります。

関東、梅雨明けしました。観測史上最速だそうです。暑い!! 今日からクーラーボックス持ち込みです。新造した砂回収器の爪を試してみましょう。現場入りは9時、それから16時まで井戸掘りです。残りの時間で畑地の草刈りをして17時に撤退です。

茹だりました。井戸掘り自体は、今一つでした。


資材の購入


・一般高所作業用安全帯 1本つり専用(ネット注文)
・ステンレス長ボルト 3/8×75 4本(ネット注文)
・ステンレスワッシャー 3/8 1パック35枚(ネット注文)


作業の準備


先週作成した井戸台に木部保護剤を塗装しました。2度塗りが仕様ですが、念のため今日中に3度目を塗装します。

先週作成した井戸台に木部保護剤を
塗装しました、2度目の塗りです

固定滑車の取り付け位置を調整します。高所作業なので安全帯を用意しました。メットも被りましょう。
泥々のゴム長でヤグラに登り降りしています。その内、絶対に落ちる自信があります。笑
ヤグラは高さ5mなので大した事はないのですが、下には井戸掘り道具の鉄パイプや鉄棒を縦置きしてあります。落ちるとちょっと痛いです。

高所作業なので安全帯を用意しました、
メットも被りましょう

固定滑車の取り付け位置を調整しました、
持ち手パイプと干渉するか要確認です

井戸枠の排水枡とソケットをゴムバンドで結束しました。

井戸枠の排水枡とソケットを
ゴムバンドで結束しました

砂回収器に2節ジョイントを接続します。ボルト穴の調整不要で一発で填まりました。

砂回収器に2節ジョイントを接続しました
ボルト穴の調整不要で一発で填まりました

フロートを組み立てました。とりあえず1本で様子を見ます。

フロートを組み立てました、両端は菊座、
内側はアルミバンド2本を巻きました

既に2時間経過です。身体の動きが鈍いです。色々と準備を進めていましたがまだ足らんかったか。笑
最後に井戸掘りの安全を祈念して井戸掘り再開です。

井戸掘りの安全を祈念して
盛塩を置きました


道具と材料


・砂回収器3号:ブルネンファウスト(BF)+延長パイプ×21+90cm短尺パイプ=4,070cm


掘削の状況


GWの4/28から始めてきた井戸掘り準備が整いました。井戸掘りを再開します。

準備は整いました、
砂回収器を投入します。

楽々井戸掘り用に準備したフロートを持ち手パイプ6セット目に装着して試行してみます。

持ち手パイプ6セット目に
フロートを設置しました

持ち手パイプ7セット、180cmの電線管21本を投入しました。間違えて22本目を繋ぎましたが、これ以上は下がりません。

持ち手パイプ7セットを投入、
180cm定尺パイプを繋いだら
これ以上下がりません

22本目の定尺パイプを外してハンドルを装着しました。ハンドル高さは94cmです。
ここまでに1時間経過です。コネクタの錆とウレタンフォームを封入した際のカスが電線管内側に付着しているため、持ち手パイプ同士の接続に時間が掛かりました。

最後に掘り下げた2016年10月23日は持ち手パイプ7セット目に90cm短尺パイプと45cm短尺パイプを挿げてハンドル高さ84cmまで掘り下げました。そして残り15cmが下穴で残っていました。今日は2節ジョイントでコネクタ1本分20cm高くなっていますので、井戸底の掘りクズは125cm、下穴15cmです。
4/29に井戸の深度を測定したときは掘りクズは残り160cmでした。35cm分は粘土で、そのまま砂回収器に取り込まれたようです。

定尺パイプを外してハンドルを
装着しました、
ハンドル高さは94cmです

615日振りに砂回収器のハンドルを廻します。重い。井戸底で石に突っ掛かります。掘りクズも締まっています。ちょい上げ作戦で掘り進みます。フロートを装着していますが、効果を感じません。道具がこれほど重いとは…。
ハンドルが30cmほど下がりました。接続部が井戸枠ぎりぎりです。接続部が地上にある内に、45cm短尺パイプを繋ぎました。ハンドル高さは105cmです。

ハンドルが60cmまで下がりました、
接続部が地上にある内に持ち手パイプを
延長します

持ち手パイプに45cm短尺パイプを
接続しました、
ハンドル高さは105cmです

更に砂回収器を押し込みますが、ハンドルの回転が突っ掛かります。これは石ですな。ちょい上げ作戦で石を動かして取り込むしかないです。
ハンドル高さが56cmになるとこれ以上下がらなくなりました。こう言うときは逆止弁に詰まった土砂を取り除くポンピングです。ハンドルを引き上げ、エイヤッと押し込みます。うん、また下がり始めました。
持ち手パイプのハンドルが高さ49cmまで下がりましたがまた停滞です。今度は逆回転です。グリグリ。ハンドル高さ44cmまで下がりました。しかし、回転が渋くなりました。これ以上は無理!!
グイッと引き上げ、逆止弁を閉めていったん砂回収器を引き上げましょう。複合滑車で引き抜きです。

ハンドル高さが44cmまで下がりました、
動きが渋いので複合滑車で引き上げます

45cm短尺パイプを外して、90cm短尺パイプに挿げ替えました。色々と手番をミスしています。複合滑車でハンドルを引き上げると、持ち手パイプの交換はできません。テンションが掛かっていますからね。複合滑車で引き上げて、引き上げロープを手繰って固定しないとダメなのですがすっかり忘れています。複合滑車でハンドルを引き上げたままボルトを緩めて抜こうとしましたが、無理無理。本体の引き上げロープをウインチアームに巻き付けて固定するのを思いだすのが遅いって。笑

短尺パイプを挿げ替えると、ハンドル高さは134cmになりました。40cmほど出戻っています。ハンドルをエイヤッっと持ち上げた積もりでしたが、逆止弁の動作不良なのでしょうか?

45cm短尺パイプを外して、
90cm短尺パイプに挿げ替えました、
ハンドル高さは134cmです、
出戻りました

だいぶ落胆しています。笑
ハンドルを廻すと最初と同じ様に砂利だか石に突っ掛かります。またちょい上げ作戦ですが、道具か重過ぎます。ハンドル高さが119cmまで下がりました。

良く考えると逆止弁の動作不良だとすると何度やっても無駄です。いったん作業を打ち切って確認しましょう。新たに製作した爪とか2節ジョイントが気になります。フロートもです。
ここまでに取り込んだ土砂は110cm分です。流出していなければの話ですが…。

ハンドル高さが119cmまで
下がりました、色々と限界です

道具を引き上げます。今回は固定滑車と手巻きウインチを組み合わせました。井戸穴に降ろした引き上げロープはヤグラ上部に設置した固定滑車を経由して手巻きウインチで巻き取ります。と、手巻きウインチが上側に引き上げられます。今までとは力の向きが変わり、ウインチアーム自体が上側に引っ張られています。ロープの巻き取りが上手く出来ません。力の向きが変わり、手巻きウインチも壊れそうです。ダメだこりゃ。固定滑車と手巻きウインチの組み合わせは不採用!!

Wスリングを持ち手パイプのボルトに巻き付け、複合滑車を使って騙し騙し引き上げます。

固定滑車と手巻きウインチの組合せは、
ウインチが引き上げられて
ロープの巻き上げができません

持ち手パイプに設置したフロートが現れました。上部の菊座に土砂が付着していますが、井戸壁と擦れたダメージはないようです。
下部の菊座は開いています。原因不明です。

フロートを引き上げました、
菊座が井戸壁に接触したようです、
少々泥が付着しましたが
問題ありません

フロートの下部の菊座は開いています、
原因不明です

1時間掛けて砂回収器を引き上げました。身体がきついです。
逆止弁は動作しています。内部に取り込まれた土砂は高さ1m分程度です。うーん計算どおりです。逆止弁の動作不良ではないのか。

砂回収器を引き上げました

結構負荷を掛けましたが、2節ジョイントの変形はありません。強度は問題ありませんでした。

2節ジョイントの強度は問題ありません

しかし、2節ジョイントの運用は難ありです。手巻きウインチでロープを緩めて持ち手パイプを降ろしながら、砂回収器の先端を引き上げます。手が2本では足りません。砂回収器の先端に治具を設置し、ロープを引き廻して砂回収器を逆転させます。持ち手パイプが暴れるので危険です。何とかトップバケツまで誘導しましたが、楽々井戸掘りとは遠い話です。2節ジョイントも不採用!!

2節ジョイントを稼動させましたが、
今一つでした

逆止弁を確認しました。動作に問題はないようです。
砂回収器から土砂を排出します。プラハンマーで鋼管本体を叩くのですが、排出されません。以前はスルッと抜けたのに…。鋼管内部が錆て摩擦抵抗が大きくなっているようです。面倒くさ!!
結局、砂回収器先端部分の土砂は落ちません。鉄棒で押し込むと鉄棒サイズの穴が開くだけです。砂回収器から2節ジョイントを外して、砂回収器先端部をトップバケツに漬けて、水を追加して土砂を解して排出しました。超~時間が掛かりました。

逆止弁は稼動しているようです

浚い上げた土砂を笊で篩い分けました。砂利が少々上がりましたが、土砂の量は通常の半分です。

土砂を笊で篩い分けました、
土砂の量は通常の半分です

時は16時です。残りの時間は畑地の整備です。エンジン草刈り機を回して、草と竹を刈り取りました。17時
に撤退です。


感想と構想


まあ道具が重い重い。手巻きウインチを操作しますが、身体を持っていかれそうになります。持ち手パイプの水密化でどれほど効果があったのかさっぱり判りません。
道具を引き上げた際に妙に重たい持ち手パイプがありました。水密が破れて水が浸入したようです。ヤバいなー。

道具の投入で1時間、引き上げでやはり1時間掛かりました。井戸掘り自体は1時間半です。道具の投入で体力・気力を奪われ、井戸掘り再開の感動が薄いです。笑


アルバム


2018年6月30日

投稿日 2018年6月29日金曜日

井戸掘り、イメトレ中

井戸報告


明日は週末です。井戸掘り再開に向けて道具の操作をイメージトレーニングしています。アンタも好きね。笑

砂回収器をグイッと引き上げて逆止弁を閉めて、掘りクズを浚うイメージです。ですが、砂回収器と井戸壁の間に土砂が詰まって動きが渋くなる対策が思い付きません。
井戸穴の最深部、掘り下げた直後の井戸穴径は砂回収器のSTK鋼管の径76.3mmとほぼ同じはずです。掘鑿時に道具が暴れるので多少は井戸穴の径が拡がっているとは思います。その間に土砂が入ることで、小砂利が楔となって砂回収器の回転や上げ下げを邪魔しているのです。やはり、井戸穴の径を拡張するしかないか。
上総掘りのホリテッカンのように爪を付けるとか…。うーん、これは2年前に検討済でした。却下。

2016年7月22日金曜日
砂利層突破大作戦

砂回収器で確実に井戸穴の径を拡張し、かつ引き上げ時に引っかからない仕組みが必要です。アイデア、アイデア!!

案1

砂回収器先端の爪を拡げてより大口径の井戸穴を掘り進める。
ちょいと砂回収器先端の爪を外側に拡げれば道具の準備は完了です。簡単簡単。
動作をイメージします。大口径の井戸穴を一気に開けます。掘り下げにはやはりパワーが必要です。道具の負荷(破損)と作業員の体力(儂)が心配です。砂回収器を引き上げる際に拡げた爪が噛む可能もあります。うーん、却下。

案2

砂回収器の側面に鰭(ヒレ)を付けて井戸穴を掘り進めながら口径を拡大する。
鰭は鉄製のアングル、幅は1cm。砂回収器の上下いっぱいに一直線に設置します。鰭は1本で良いでしょう。最上部は斜めにカットすれば引き上げ時に噛む事は無いはず。アングルは溶接ですな…。でも、長さ2mのSTK鋼管に溶接をやり切る自信がないです。
動作をイメージします。砂回収器を回転させて井戸壁の砂利を削りながら井戸穴を掘り下げます。砂回収器先端の爪に石が衝突したのか、井戸壁の砂利が手強いのか判断が付きません。それぞれ対策が異なるはずですが、区別が付かないと対処できないす。却下。



それでも、井戸穴で噛む心配のない案2が望ましいです。幅1cmの鰭で井戸穴を拡張すれば、井戸壁と砂回収器に1cmの間隔が取れます。これなら土砂が詰まって動きが渋くなることはないはず。でも製作と運用に難ありです。井戸穴の掘鑿と拡張を同時にやるのは無理と判断しました。

掘り下げは『オーガ』、掘りクズの浚い上げは『砂回収器』と役割分担しているのですから、井戸穴拡張も専用器を用意すべきですな。
径76.3mmの砂回収器に幅1cmの鰭を装着すると、拡張できる井戸穴の径は96.3mmです。これ、径100mmのオーガを投入すれば解決じゃないすか。径100mmオーガは2年前に準備しています。これを投入すればOK牧場!!

径100mmオーガも溶接強化済みです
(撮影:2016/4/10)

案3

径100mmオーガを投入する。
ついに来たか。径75mmのオーガで掘り下げた井戸穴を径100mmまで拡げる作業です。直径で2.5cm、半径で約1.3cmの拡大です。径75mmと径100mmのオーガを並べて比較すると見掛けのサイズがだいぶ違うのですが、数字だと大した事はないですね。井戸穴を拡張することで、どれ位の土砂を始末しなければならないか計算してみましょう。

現在の井戸穴の堆積(πr2h)=3.14×(75mm/2)^2×40m=0.18m3
拡張後井戸穴の堆積(πr2h)=3.14×(100mm/2)^2×40m=0.31m3
差分=0.13m3

逆算します。径75mmなら31.1m、径100mmなら17.5m分の井戸穴を埋めるだけの土砂です。長さ約2mの砂回収器で15回以上、土砂を浚う計算です。きっつ!!

んー、計算してみましたが、現在の井戸穴の体積0.18m3は納得いかないです。でも、検算しても合ってます。体積0.18m3は1m四方で高さ18cm分て事ですよね。実際には砂回収所の土嚢は一立米(1m3)以上積み上がっています。計算の5倍以上の量です。

縦横1m×2m、高さ1mで作った砂収容所が
土嚢で半分以上埋まっています
(撮影:2018/5/4)

これだけの土砂を浚い上げているのですから、最深部以外の井戸穴は結構拡がっていると思うんだけどなー。


感想と構想


深度40mまで掘り下げましたが、計算すると浚い上げた土砂は5倍以上だと判りました。真っ直ぐ掘り下げたら、深度200m分です。

凄え!!

そりゃ、掘りクズ浚いに苦労するわな。笑
なんか自信が出てきました。明日は頑張りましょう。

そうだ、インパクトドライバーのバッテリーを充電しとかないと…。

投稿日 2018年6月28日木曜日

現代鑿井技術:回転振動工法

調査と研究


玉砂利層及び岩盤層を含む広い範囲の地質に対応し、従来工法に比較して掘進率が非常に早い、最新の工法です。

解説

バイブレーションロータリードリリング vibratory rotary drilling

回転振動工法(バイブレーションロータリードリリング工法)はビット先端に回転と強振動を与えて掘削するロータリーバイブレーションドリルを用いて地層を粉砕または切削して掘進する方法。従来の掘進方法と比較して広い範囲の地質構造に対して高速で掘削できる。

作動イメージ

回転振動工法


特徴

項目/工法 回転振動式
ビット(掘さくのみ)の保持 ドリルロッド(専用特殊ロッド)
掘さく作用 回転と振動で切削と破砕
掘り屑の排出 ポンプ圧送による泥水循環
掘さく孔の保孔 コンダクタパイプと泥水注入
泥水供給 ロッドを通じてポンプで圧送、ビット先端より噴出
泥水材料 清水、ポリマー泥水、ベントナイト
掘さく可能深度 120m程度
ケーシング呼び径 100A~150A
掘さく機械出力 68~190kW
泥水ポンプ 18.5kW
コンプレッサ
適用地質 未固結堆積層(玉石)
硬質岩盤にはやや不適

引用: さく井工事施工指針 平成25年版、社団法人 全国さく井協会、2013/9
https://www.sakusei.or.jp/

評価

長所

・振動工法によりあらゆる地層に対応できる。
・無水掘削が可能である。
・連続サンプル採取が可能である。
・振動による圧密効果により廃土が少ない。
・高い垂直精度を確保できる。

短所

・機械重量が重い。
・大深度には向かない。

その他

広い範囲の地質に対して高い掘進率を示す。砂層では日進100mも可能である。


感想と構想


この工法は知らなかったです。掘進率が高い=早く井戸が掘れる工法ですが、手掘りには応用できないですね。
ソニックドリル(商標)で検索すると、回転振動工法を採用した機器や導入鑿井業者がヒットします。

現代鑿井技術:エアーハンマー工法

調査と研究


硬岩における掘進率が非常に早い、近年開発された新しい工法です。

解説

エアーハンマーボーリング air hammer drilling

ダウンザホールハンマー工法(DTH工法:down the hole hammer drilling)とも呼ばれる。超硬ビットを先端に取り付けたパーカッションハンマーにエアーコンプレッサーで圧縮空気をロットを通して供給し、シリンダー内のピストンの往復運動によりビット先端チップに打撃を与え岩盤や転石等を粉砕する工法。圧縮空気のエアーリフト作用で掘り屑と地下水を、間欠泉のように噴出させる。

作動イメージ

エアーハンマー工法


特徴


項目/工法 ダウンザホールハンマ式
ビット(掘さくのみ)の保持 ドリルパイプ・ウエルドリルロッド
掘さく作用 孔底をハンマビットで打撃
掘り屑の排出 空気圧送による井外搬出
掘さく孔の保孔 コンダクタパイプ・セメンチング
泥水供給 泥水は不使用
泥水材料 不使用
掘さく可能深度 200m程度
ケーシング呼び径 100~400A
掘さく機械出力 15~135kW
泥水ポンプ
コンプレッサ 105~475PS
適用地質 岩盤(軟岩~極硬岩)
未固結層・崩壊層には不適

引用: さく井工事施工指針 平成25年版、社団法人 全国さく井協会、2013/9
https://www.sakusei.or.jp/

評価

長所

・硬岩における掘進率が早い。
・掘り下げ後の仕上げが早い。

短所

・対象が団結度の高い地層に限定される。
・騒音が大きく、住宅地では騒音問題が生じる。

その他

中硬~極硬の岩盤地帯において掘進能力を発揮する。


感想と構想


2018年8月に発生したチリ共和国コピアポ鉱山落盤事故で救出孔掘鑿を最速で行ったのもエアーハンマー工法です。
チリのコピアポで33人の鉱夫の救助に成功しました、プランB(Schramm T-130 machine)

現在掘鑿中の井戸現場はN値50超えの軟岩層です。エアーハンマー工法はもっと硬い岩盤層を打ち抜く工法です。

現代鑿井技術:ロータリー工法

調査と研究


様々な地層に対して安定した掘鑿ができる工法です。

解説

ロータリーボーリング rotary drilling

ビットを先端に装着した掘管(drill pipe)を動力装置によって回転させて、地層を粉砕または切削して掘進する方法。このとき、掘管を通して地表と孔底の間を泥水ポンプによって泥水を循環させる。泥水は掘管の内側から孔底に達し、スライムを伴って掘管の外側(アニュラス:annulus)を通って地表に排出され、地下の地層情報を提供する。現代の深部ボーリング工法の主流である。

作動イメージ

ロータリー工法

特徴

項目/工法 ロータリー式
ビット(掘さくのみ)の保持 ドリルパイプ・ウエルドリルロッド
掘さく作用 孔底をビットで回転切削
掘り屑の排出 ポンプ圧送による泥水循環
掘さく孔の保孔 コンダクタパイプと泥水注入
泥水供給 ドリルパイプを通じてポンプで圧送、ビット先端より噴出
泥水材料 主としてベントナイト
掘さく可能深度 600m程度(水井戸)
ケーシング呼び径 100~500A
掘さく機械出力 15~100kW
泥水ポンプ 11~150kW
コンプレッサ
適用地質 未固結堆積層・岩盤
玉石層にやや不適

引用: さく井工事施工指針 平成25年版、社団法人 全国さく井協会、2013/9
https://www.sakusei.or.jp/

評価

長所

・各地層に対して安定した掘鑿ができる。
・浅いものから深いものまで掘鑿が可能である。

短所

・ロッドの揚降時に、数名の人員を必要とする。
・廃泥土水の処理に費用が掛かる。

その他

全地層に対して安定した掘進率を示す。水井戸に対しては深度600m程度までの利用だが、温泉掘削では1,500mまでの掘進が行われている。


感想と構想


私の井戸掘りではオーガ(ビット)で井戸底を削り、砂回収器を回転させながら掘りクズに押し込んで浚っています。泥水の循環はありませんがロータリー工法の一種と言って良いでしょう。

現代鑿井技術:パーカッション工法

調査と研究


狭い敷地でも作業ができ、砂礫・玉石層に適している工法です。

解説

パーカッションドリリング percussion drilling

打撃によって地盤・岩盤を破砕し、削孔する方法の総称。硬い岩盤、コンクリート破砕用の打撃式削岩機や、上総掘り、綱掘り(cable-tool drilling)のような井戸掘削法がある。綱掘りは、ワイヤーロープの先端に重い(500~3000kg)ツールストリング(tool string)を吊るし、35~100cmの高さから自由落下させ、1分間に30~65回の衝撃を与えて地層を掘り進む。1~2m掘削するとツールストリングを地上に引き上げべーラーで掘り屑(スライム)を汲み上げる(さらい:bailing)。掘削とさらいを交互に繰り返して掘進する。

作動イメージ

パーカッション工法

特徴

項目/工法 パーカッション式
ビット(掘さくのみ)の保持 ワイヤロープ
掘さく作用 孔底を椀ビットで打撃
掘り屑の排出 ベーラによる採取
掘さく孔の保孔 コンダクタパイプと泥水注入
泥水供給 孔元から注入
泥水材料 主として粘土
掘さく可能深度 300m程度
ケーシング呼び径 150~600A
掘さく機械出力 15~37kW
泥水ポンプ
コンプレッサ
適用地質 未固結堆積層・軟岩層
硬質岩盤には不適

引用: さく井工事施工指針 平成25年版、社団法人 全国さく井協会、2013/9
https://www.sakusei.or.jp/

評価

長所

・砂礫、玉石層で、効率的な掘鑿ができる。
・狭い敷地で作業ができる。
・設営が早い。
・少人数作業ができる。
・仕上げが早い。

短所

・掘進率が他の工法に比べ劣る。
・振動・騒音がロータリー工法に比べ大きい。

その他

ロータリー工法に比較して掘進率は劣る。しかし砂礫や玉石層の場合に能力を発揮する。


感想と構想


説明にあるようにパーカッション工法は上総掘りの技術系統の発展型です。曽我部式の塩ビ管井戸掘り器も上総掘りを簡略化したものなので、パーカッション工法の一種になります。
私の井戸掘りでも、以前は塩ビ管で作成した井戸掘り器に独自の工夫を加えて土砂浚いに使用していました。これもパーカッション工法の一種です。今は卒業しました。



10数年振りにパラパラ漫画のGIFアニメを作ってみました。「地下水用語集」は文字ばかりで図はありません。儂みたいな素人向けじゃないのよね。



【2019/7/5追記】
頑張って作ったGIFアニメが汚くて、長らく悩んでましたが解決しました。
画像の品質について、以下の記事を参考にさせていただきました。

スマホからだと画像が劣化⁉Blogger画質劣化の謎と真相



投稿日 2018年6月27日水曜日

『さく井工事施工指針』を勉強してます

井戸調査


井戸掘りの休止前、ヤマ(井戸壁の崩落)に悩んでいた頃の話です。一時期、現代の鑿井技術を自分の井戸掘りに適用できないかと考えて、鑿井業者のサイトを読み歩いていましました。結果を記事にまとめようとしてましたが、途中で挫折保留のままでした。これを再開しています。鋭意準備中。

鑿井業者の紹介によると、現代の鑿井技術には大きく分類して次の三つの工法があるとのことです。

(1)パーカッション工法
(2)ロータリー工法
(3)エアハンマー工法


各工法の比較などの記事をまとめるには、特定の業者ではなく、業界標準団体の見解に拠るべきですね。そこでこちらも井戸掘り休止前にダウンロードして暖めていた資料を引っ張り出してきました。
一般社団法人 全国さく井協会の『さく井工事施工指針』です。日曜日に二度寝に陥った資料です。

商品の詳細
鑿井工事の施工方法を規定するものです。井戸掘りには技能資格があり、鑿井工事はさく井技能士が行うと規定されています。

さく井工事施工指針(平成25年版)、一般社団法人 全国さく井協会、2013年9月
https://www.sakusei.or.jp

さく井工事施工指針
第1章 一般事項
第1節 総 則
1-1-1 一般事項
本施工指針は、さく井工事の施工方法を規定することにより、足下の豊富で良質な地下水を有効利用すると共に、井戸の効率性と耐久性を確保するために適用する。
さく井工事の範囲は、設計に始まり、施工計画、機材搬入、掘さく、検層、ケーシング、砂利充填、遮水、仕上げ、洗浄揚水、揚水試験(水質分析)、埋没浚渫、完成検査、掘さく機材の撤去、引き続き井戸ピット工事、揚水設備設置、電気工事、揚水試運転までとする。これらの工事の施工及び管理はさく井技能士が行うものとする。

引用:一般社団法人 全国さく井協会

『さく井工事施工指針』では鑿井工法として4番目の工法が記載されています。知らんかった。これも調べて記事を用意します。

(4)回転振動工法

掘さく工法比較表
(出典:一般社団法人 全国さく井協会)



『さく井工事施工指針』は有用です。事前調査、設計、施工とやるべき事が整理されています。手掘りのDIY井戸掘りでもやるべき事は同じなので、何も判らず手探りで進めることがなくなります。もう少し早く勉強すれば良かったですね。今後進めるケーシングの挿入方法や埋設用充填材の選択などこれから調べなくてはならない事項が整理されています。知らない事は調べれば良いのですが、知らない事を知らない場合は手遅れになりますからね。

本ブログのトップページ『井戸の掘り方』は自分の経験則で書きましたが、この指針に合わせて改訂した方が良いかもしれません。内容は間違っていないのですが、整理の仕方はプロが利用する指針の方が優れています。


感想と構想


『さく井技能士』もその内に記事にまとめたいと思います。さく井技能士は技能検定に合格した人に与えられる国家資格です。さく井の技術を習得しているお墨付きです。
なお、さく井技能士でないと井戸を掘れないわけではありません。いわゆる業務独占資格ではありません。でも、名称独占資格なので、資格のない人がさく井技能士を名乗るのは法律で禁止されています。


投稿日 2018年6月25日月曜日

井戸掘りの準備は完了かいな

井戸報告


井戸掘りを1年半休止していましたが、再開に向けて準備をしています。山に呑み込まれた畑の整備、猪に荒らされた井戸現場周辺の整理、そして壊れたり劣化した道具の修繕を続けてきました。GWの4/28から作業を始めて、早くも2カ月経過です。けど、井戸掘りは再開できていません。本来は梅雨前に仕上げたかったのですが、やること多くてここに至っています。

先週末に手巻きウインチの引上ロープを全交換しました。これで、井戸掘り準備は完了です。以下の作業が残っていますが、これは楽々井戸掘り用の追加道具なので、井戸掘り再開のストッパーにはなりません。来週には井戸掘り再開の烽火(のろし)を上げる事ができるはずです。

・重量軽減用フロートの組み立て
・砂回収器の2節ジョイントの組み立て

長さ20mのトラックロープ3本を巻き取りました
深度50mを目指します
(撮影:2018/6/24)


一方、畑地の整備です。まだ、やることいっぱい。

・1号畑裏斜面の竹刈り
・崩された2号畑の盛り直し
・3号畑南の溝切り
・4号畑、トマトの防鳥ネット設置
・メイン通路の溝切り(台風シーズンまでにはやらないとあかん)
・猪対策のワイヤーメッシュの設置(費用と相談ですが…)

畑地と周辺の草刈りは当面継続です。こぼれた雑草の種が尽きるまで草刈りを続ける必要があります。
何年も山の腐葉土を鋤き込み、化学肥料なしでも作物がそれなりに採れるまでに作り上げた畑です。雑草も種を付ける前に始末することを何年も続け、周辺の雑草も小まめに刈り取り、除草剤なしでも雑草が気にならない畑にまで仕立てました。
これがすっかり雑草と山の竹に呑み込まれてしまいました。残念です。でも、まだまだ優秀な畑です。みーちゃんから新たに借りた畑は陽当たりこそ良好ですが、表土から15cm下はカチカチの耕盤です。支柱も刺さりません。私の畑は雑草こそ生えるようになりましたが、耕土はフカフカです。支柱を差し込むと60cm程はズブズブと刺さります。何年も掛けて鋤き込んだ腐葉土の効果は消えていません。その分、雑草も元気ですがね。笑

1号畑裏斜面の竹です、刈り取らないと
また竹藪に畑地が呑み込まれます
(撮影:2018/6/23)

整地と土壌改良に熱中して何年も掛けて自分の満足する畑地を作り上げ、足らないモノは水だけでした。そのために井戸掘りを始めたのですが、今度は井戸掘りに熱中し過ぎました。

これからは畑地をケアしながら、井戸掘りを進める事にします。半日は畑、半日は井戸掘り、こんなスケジュールかな。


感想と構想


井戸掘りの準備で、もう残した作業はないよね? と思ってブログを読み返したらありました。

・土嚢ストックヤードのブルーシートトンネル
・井戸掘り現場の雨避タープ

急ぎの仕事じゃないけど、梅雨の間にやっておきたい仕事です。


【6/26後記】
まだありました。笑
・排水枡のゴムバンド交換

現在、ゴムバンド3本が切れて細引きで暫定修理しています。交換品は購入済です。道具の出し入れの支障になりますので、井戸掘り再開前に交換要です。

井戸穴の肩の崩落防止のため、
VU100のソケットをゴムバンドで
支えています
(撮影:2015/12/19)

この様な細かい仕事が溜まりに溜まり、色々と面倒臭くなった事も井戸掘り休止の原因かもしれんね。
自宅と現場とホームセンターを、バイクで簡単に往き来できるようになれば、面倒臭さも軽減できるはずです。GWに注文したクロスカブ110は7/20納車です。

投稿日 2018年6月24日日曜日

井戸台を製作しました

道具の作成


時は11時、外は雨です。二度寝して寝起きですが、昨日購入した厚板に罫描きを入れて井戸台を製作します。

井戸台に玉下に合わせて罫描きを入れます

罫描き完了と同時に雨が止みました。穴開け加工を済ませてしまいましょう。電動ドリルが逝ったので、インパクトドライバーでの加工です。ドリルで穴を開け、ホイルソーを持ち出しましたが厚みが足らない事が判りました。何度も頭の中でシミュレーションした作業でしたが想定外です。金工用のドリル刃でミシン目を入れますが、切り抜けません。こりゃ鋸作業ですな。ここまでに2時間経過です。
雨が上がり、青空となり、猛烈な日差しです。湿度が高く不快です。

玉下は八角形です、
ホールソーのサイズが足らないので
ドリルで角穴を開けます

ホールソーでは厚みが足らない事に
気が付きました、
ドリルでミシン目を入れます

残りの作業は現場で継続です。
引廻鋸で玉下の穴を切り抜きました。簡単です。これなら最初に開けたドリル穴を引廻鋸で直接切り抜いた方が早かったですね。切り抜いた穴を調整して、固定用のドリル穴を開けて作業完了です。
昨日購入したSUSボルトでは長さが足らない事が判りました。計算ミスです。再購入ですな。

井戸台を引廻鋸で切り抜きました

井戸台に玉下が納まりました、
ややブレています、
引廻鋸で調整しましょう

井戸台に固定用のボルト穴を開けました

手押しポンプと玉下、井戸台を組み立てました、
残念ですがボルトの長さが足りません

井戸台に昨日購入した木部保護塗料を塗装します。最近の塗料は水性なんですね。手間が掛からないのでgoodです。この木部保護塗料は二度塗りです。次回は来週です。

井戸台のホワイトウッドに保護塗料を
塗装します


感想と構想


井戸台の材料はホワイトウッドなる木材を購入しました。加工し易いのですが、材質が柔らかいので井戸台には不適かもしれません。これ、内装材用かな? 材料選択をミスしたかも。まあ、それでも3年は持つでしょう。3年後に再作成です。
3年後の儂よ、生きていたらこのブログを読み直して、同じミスをやらかさないでくれや。笑


アルバム


2018年6月24日

井戸掘り再開ならず

本日の記録


本日の天気予報は曇後晴のはずでしたが、6時前に起床するとザンザン降りです。予報は午前中雨に変わりました。ぐぬぬ!

ベッドで横になって井戸掘りの資料を読み込んでいたら、二度寝してしまいました。当たり前です。
11時に起きるとまだ小雨です。もう少しで止みそうです。そう、屋内でもやれる仕事がありました。昨日購入した井戸台用厚板の罫描きです。とっとと済ませてしまいましょう。

その後、昨日購入した資材を自動車で現場に搬入、いったん帰宅して自転車でリターン。現場入りは14時過ぎ、井戸掘りの準備を行いました。18時に撤退です。


井戸報告


午前中は井戸台の製作です。内容は別記事で投稿し直しました。
昼食後、現場入りです。

雨避けをして気を付けていましたが、経年劣化が心配なので手巻きウインチの9mmトラックロープを全交換しました。ロープを繋ぎ、更に20m一本を追加して60m分を手巻きウインチに収納しました。深度50mを目指します。

手巻きウインチの引き上げロープを
交換しました

手巻きウインチに引き上げロープ60m分を
巻き取りました

時間が押してきました。既に16時半を過ぎています。今日の井戸掘りは時間的に無理です。来週に延伸します。
時間が半端ですが、残った時間でヤグラの傾きを矯正しました。先日、調整したばかりですが、数cmの沈降が起きています。サクッとジャッキアップしました。

ヤグラの南北のレベルです、
南側が沈降しています

ヤグラの南東柱をジャッキアップました、
約2cmの引き上げです

ヤグラの南北のレベルがとれました

南西柱の屈曲が気になります。ボンジョイントに負荷が掛かっているはずです。複合滑車を取り付けた横棒を確認すると、北東柱側が2cmほど下がっています。これは南西柱を引っ張るため、屈曲の原因ではないはずですが矯正します。横棒を固定するクランプを緩めると単管が2cmほどズレました。縦柱の屈曲が少しは改善されたはずです。北東柱と南西柱を引き寄せれば屈曲は改善されるはずですが、部材が足りません。
今日は諦めます。

ヤグラの南西柱の屈曲が気になります、
複合滑車を取り付けた横棒の単管位置を
矯正します

複合滑車を取り付けた横棒に端材を
自在クランプを取り付けました、
ジャッキで引き伸ばす計画ですが、
自在クランプ1個では端材が遊んでしまいます


感想と構想


梅雨時なので天気と相談ですが、遅々として井戸掘りが再開できません。準備に手間取っているのも原因ですが、今日の引き上げロープ交換でとりあえず必要な作業は完了です。多分。笑

来週こそは井戸掘り再開です!! 本当か?笑笑


アルバム


2018年6月24日

︿
blog.isMobileRequest=true, blog.local=ja がんばれ日本!!