道具の検討
1年半のブランクは長かった。持ち手パイプの接続方法やロープワーク等、基本的な事は覚えています。しかし、苦労して工夫していたはずの砂回収器の操作は記憶が大分怪しい。色々と気にしていた安全策はすっかり忘れています。過去のブログを読み返して記憶を新たにしています。
今回修繕した砂回収器3号:ブルネンファウスト(BF)を投入した、2016年7月3日以降の記事は5回以上読み返しました。
ブログを読むと当時、ヤマ(井戸壁の崩落)に苦労していた事を思い出します。でも、気になる事が…。
ケース1
BFで掘りクズを浚っている最中の記事です。持ち手パイプを繋ぎ替えるために引き上げるとヤマが起きて井戸底が埋まる事が度々発生しています。
ケース2
BFで井戸底を新たに掘り下げている最中にSTK鋼管と井戸壁の間に土砂が詰まり、回転が渋くなります。BFを引き上げて詰まっているこの土砂を落とすとヤマが起きています。これで数10cm単位で井戸底が浅くなっています。時には1m近くも!!
この二つのケースですか、本当にヤマなのでしょうか?
当時はヤマだ、ヤマだと嘆いていましたが、今々冷静にブログを読み直すとどうも怪しい。持ち手パイプの繋ぎ替えなら、長くても45cm短尺パイプ+90cm短尺パイプで135cmしか引き上げていません。
詰まった土砂を落とす際には確かにBFを2m程引き上げています。それでも2mですよ。井戸底を打ち抜くのにあれほど苦労している土層です。2m程の高さでドサドサと井戸壁が崩れる訳がないです。あり得ない。
確かに40m分の井戸壁がありますので、持ち手パイプが接触してどこかから大量に井戸壁が崩れる事もあるでしょう。でも上記のケースではBFが蓋になり上部から崩落した土砂は掘鑿面の井戸底には落ち込みません。
持ち手パイプを引き上げた際に井戸底が浅くなるのは、別の原因です。疑わしいのは逆止弁の動作不良です。逆止弁が何らかの理由で閉じていない状態で不用意にBFを引き上げたため、中身の土砂がだだ漏れしているのでしょう。
BFを引き上げて内部に取り込まれた土砂を排出する際に、計算より量が少ないといった事も発生しています。これも逆止弁の動作不良が原因です。
では、なぜ逆止弁が閉まらないのか?判りません。笑
ブログの記事と写真、僅かな記憶を頼りに原因を検討します。
たまに土砂が詰まって逆止弁が動作していない場合がありますが、これはこれで土砂が流出しないので問題ナッシングです。
|
逆止弁は土砂が詰まって作動してません
(撮影:2016/7/23) |
はい、次。
明らかに逆止弁の動作不良が判るのはこの記録です。引き上げたBFからトロトロの土砂をお漏らししていました。
当日のブログを読んでも逆止弁が浮き上がった原因は書かれていません。しっかり原因追求すれば良かったのに…。
|
BFの逆止弁の片方(左側)が浮き上がって
隙間ができています、
土砂はここから漏れたようです
(撮影:2016/8/7) |
こちらはそもそも土砂の引き上げに失敗した記録です。当日のブログには丁番のボルトの締め付け不良と書かれています。本当か? 先週、このカラー丁番をSUS丁番の交換しましたが、ボルトの締め付け不良とは見えませんでした。ボルトの締め付けが甘くても、取り込まれた土砂の重みで逆止弁が押さえ付けられて密閉する気がします。でも、今となっては追求不能です。
|
逆支弁の丁番に隙間があり、
逆支弁が浮き上がっています
(撮影:2016/10/23) |
判らん。
BFを地上に引き上げた後の逆止弁を観察して、地下40mでの稼動状態の逆止弁を推定するのは無理があるかもしれません。
次は逆止弁が開いたまま引き上げられた記録です。井戸底で大きな石の取り込みに失敗した例です。逆止弁が石に押されて上がったままです。入り口に付着した土砂が作動の邪魔をしています。内部の土砂が押し固められたため、この状態で地上まで上がってきたようです。
|
BFの逆止弁が上がったままです、
巨石を取り込めなかった模様です
(撮影:2016/8/14) |
そもそも、逆止弁には閉鎖用のスプリング等は設置していません。SUS板とゴム板で作成した弁が自重で下がるか、内部に取り込まれた土砂の重みで押し下げられて閉まる仕組みです。
逆止弁の丁番側に土砂や小石があるとこれが上手く作動しないのでしょう。
井戸底の状況は以下と推測しました。
井戸底の土砂を浚うには、BFを回転させながら押し込みます。すると、BFの爪が土層を切り裂きながら下がって行きます。切り裂かれた土砂は逆止弁付近に押し込められます。押し込められた土砂は逆止弁を押し上げ、BFの内部に取り込まれます。この状態だと逆止弁は上がったままです。ここでBFを引き上げると、内部に取り込まれた土砂が逆止弁を押し下げ、逆止弁が閉まります。
期待する動作はこれです。
ですが、逆止弁の丁番付近に何か邪魔モノがあると、土砂が上がったままの逆止弁をすり抜けて漏れ出す。邪魔物もその内に逆止弁付近から転がり落ちる。そのタイミングで逆止弁が閉まる。
持ち手パイプを繋ぎ替えて降ろすと、漏れ出した土砂で井戸底が浅くなっている。
で、「ヤマだ、ヤマだ!!」と嘆く儂がおると。
対策はどうよ?
引き上げる際に逆止弁を意識して閉めることです。ハンドルをグイッと引き上げ、逆止弁に取り込んだ土砂の重さを伝えれば良いと思います。ですが、当時この操作は無理なはず。掘鑿道具一式で重さ50kg弱、土砂を入れると60kg近い重さです。これをグイッと引き上げるのは平常時なら簡単でも、へとへとに体力を消耗していては無理でしょう。また、ウインチの引き上げでは衝撃は伝えられません。これも無理です。
うーん、やはり掘鑿道具の重量軽減がポイントなんだな。
楽々井戸掘りが実現できたら、ヤマ騒動も収まり、掘り下げ効率が一気に向上する気がしてきた。
感想と構想
ダラダラと長いブログ記事を書いて頭の中を整理しています。
井戸掘り、やりたくなってきた。
モチベーションが段々とアップして参りました。
6/15後記
昨日投稿した記事を読み直して思い出しました。グイッと引き上げるって、そんな単純な話ではなかった。
特にBFのSTK鋼管と井戸壁の間に土砂が詰まった場合、回転が渋くなります。引き上げも複合滑車でないと無理な状態になります。ここで人力でグイッと引き上げのは無理です。何か工夫が必要です。考えます。